このサイトについて
■日本のアニメ総合データベース「アニメ大全」とは
日本のアニメ総合データベース「アニメ大全」(以下「アニメ大全」)は、日本の商業アニメーション第一号が1917年に公開されてから満100年を迎えるのを契機に、一般社団法人日本動画協会が、2015年より『アニメNEXT_100』プロジェクトの主要な取組みとして推進してきました。
「アニメ大全」はそれぞれの会社では着手しきれないアニメ産業とアニメ文化の基盤を歴史的に網羅して、アニメの力を過去・現在・未来へと繋ぐデータベースとなっていくことを目指してスタートしています。
同時に、時代を超えてすべてのアニメ作品の視聴される可能性を高めるアーカイブの取組と連携して、埋蔵文化になってしまう作品をなくすことも創出した目的の一つです。
「アニメ大全」に蓄積されているのは、1917年から現在に至るまでに発表された日本の商業アニメーション作品の情報に中心ですが、「アニメ大全」対象作品の定義にのっとり
アニメに関わる全ての方々と共に育てて、成長し続ける日本のアニメ総合データベースとして、現在も調査収集・精査を続けており、今後も随時更新を行なって一層のデータ拡充を図ってまいります。それが、「アニメ大全」です。
■「アニメ大全」掲載対象作品について
「アニメ大全」掲載対象作品として情報収集するのは、日本で制作されたアニメーション作品です。アニメーション文化の研究者をはじめ、クリエイター、産業界のビジネスユーザー、アニメファンに至るまで、幅広い方々に利用・活用されることを目指しています。
「アニメ大全」掲載対象作品については、アニメに関わる産業界の方々をはじめ、研究者・アニメ専門誌関係者などの多くの方々と長年にわたり検討を重ね、「アニメ大全」掲載作品定義を策定し、その基準となる考え方の指針を定めていますので、詳しくは「アニメ大全」掲載作品の定義をご覧ください。
また、定義する上でボーダーラインに位置している未収録の作品もかなりあります。
それらについては、今後、有識者はじめ、さまざまな方々から広くご意見をいただき、検討した上で判断し収録していきます。
「アニメ大全」が目指すのは、日本のアニメーション文化の整理・分類を系統立てていくことです。アニメーション研究者、クリエイター、ビジネスユーザー、多くのアニメファンに有益なデータとして利用・活用していただくことが、未来に向けてアニメーション文化が継承され、発展していくことにつながると考えています。
さらに充実した内容を実現するため、利用される皆様と共に、これからも成長し続けるデータベースであるよう全力を尽くします。皆様の応援、ご協力をよろしくお願いたします。
■「アニメ大全」掲載対象作品の定義
「アニメ大全」が対象とし情報収集するのは、日本で制作されたアニメーション作品である。アニメーション文化の研究者を中心に、産業界のビジネスユーザーやクリエイター、アニメファンまで、幅広く利用活用されることを目指している。
対象作品の定義に関しては、以下のように考え方の指針を定める。
本来は動きのないオブジェクト(被写体)に対し、動きの感じられる変移をコマ撮りなど特殊な技法で電気的・機械的に記録し、再生時に残像によって脳内に動きの錯覚を生じせしめることで、感情の喚起などの映像表現とする芸術的手法を「アニメーション」と呼ぶ。厳密には驚き盤やフリップシートなど電気的装置を介しない表現手法もアニメーションであるが、ここでは電気的映像作品ではないという理由で含めない。
アニメーション作品の中でも、主として商業など広範囲で公的な利用目的にパッケージ化され、物語のような内容や感興を触発する表現を主とし、作者名がクレジットされて思想・感情など著作性の主体が明らかなものを対象とする。
日本国内では1950年代後半からアニメーション映画興行が定常化し、さらに1960年代前半からはテレビ受像器の急激な普及にともなって商業目的の作品数が激増する。この急増期間の前後ではアニメーション作品は質・量ともに異なり、携わるクリエイターの人数も飛躍的に違うため、対象範囲の考え方を若干変えている。
激増期以前は人や会社の流れを追うため、作品の性質によらず、可能な限り現存しているアニメーションフィルムを網羅することにした。以後については、たとえばコマーシャルフィルムや教育目的の短編、実写番組の1コーナーなどは原則として含めない(いくつか例外を除く)。
激増期以後の日本国内におけるアニメーション作品は、圧倒的多数が劇場か、テレビを発表メディアとするセルアニメーションとして制作されている。1990年代終盤からのデジタル制作以後、物質的な被写体としてのセルは消滅し、CGなどバーチャルなオブジェクトと組み合わされて表現されることが主流となったが、映像表現のベースとなる文法的な様式はセルアニメーションの範疇であるため、特に区別はしない。またフルCG映画に関しては、世界的に「アニメーション映画」の範疇として分類されているため、含めることとする。2000年代以降のFLASHアニメやGIFアニメに関しては商業的に販売が行われたものに限り含めることとする。YouTube等のストリーミング配信サイトが初出の物は商業的に制作されたものに限り含めることとした。
技術進歩により古いアニメ作品のリマスター(ハイビジョン化、デジタルリマスター化 等)が、多数行われている。作品によっては追加編集、追加シーンを行い初出時のTV放送と著しく異なる内容になる作品(例:『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』)、進歩した音響設備に合わせた5.1ch化を再録音した作品(例:『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』Blu-ray版)、フィルムの中から質の良いバンクシーンを選び出し新たに編集を行いバンクシーンを差し替えた作品(例:『勇者王ガオガイガー』Blu-ray BOX Division 1)が存在する。こうした作品群についてはTV等による発表が行われた場合に限り新規作品として含める。それ以外の販売メディアによる仕様の変化に対応するために行った処置については制作会社やクリエイターの歴史、あるいはアニメ作品としての技術史研究の側面から欠かせないものに限り、編者の判断で含めるようにした。
2000年代に入ってから多くなったTV等の表現規制にあわせた放送時と記録メディアでの販売時で映像が著しく異なる作品(例『テラフォーマーズ』)は同一の作品として扱うこととする。
国内の研究者の間では、1963年の『鉄腕アトム』以後、リミテッドアニメーションをベースとしてテレビ向けに開発された日本独自のセルアニメーション表現は「アニメ」として区別すべきという議論がある。世界的にも日本のアニメ作品は日本語の略語をベースに“anime”と呼ばれているため、正当である。しかし、「アニメ大全」では「アニメーション」と「アニメ」に、略語以上の大きな区別は設けないことにする。
被写体として人形・粘土を含む立体物を用いる「人形アニメーション、または立体アニメーション、あるいはセル以外の平面素材や切り紙など用いる『ペーパーアニメーション』・『カットアウト(切り紙)アニメーション』」については、1960~1970年代までは「テレビまんが」という大きな範疇にあったため、製作者側・観客ともにセルアニメーションと根本的な区別がつけられていなかった。そのため、原則として対象に含めることにした。しかしながら、棒や糸で被写体をあやつる「人形劇」に関しては、原則としてコマ撮りをしていないことから根本のところでアニメーションの定義からはずれるため、含めていない。
さらには、実写映像の中にセルアニメや人形アニメが合成される作品(例:『コメットさん』)、逆にセルアニメのキャラクターに特撮のメカや恐竜が組み合わされるような特殊な作品群(例:『恐竜探検隊ボーンフリー』、マスコットキャラクターが番組を進行するテレビ番組(例:『カウントダウンTV』)が存在する。こうした作品群については、制作会社やクリエイターの歴史、あるいはアニメ作品としての技術史研究の側面から欠かせないものに関しては、編者の判断で含めるようにした。
上記のような基準であるため、定義上のボーダーラインに位置する作品も多い。広く有識者からご意見をいただき、適宜検討のうえ、必要なものは収録していきたい。
すべては日本のアニメーション文化の整理、分類を系統立てるためである。将来のアニメーション産業界の担い手、研究者に適切なデータをわたし、利活用をうながすことで、未来に向けてアニメーション文化の継承、発展、産業の振興を喚起するためである。
趣旨をよくご理解をいただいき、利用者のみなさんとともに充実をはかっていくこととしていきたい。
編者一同
『アニメNEXT_100』プロジェクト アニメ大全一同
一般社団法人日本動画協会 データベースアーカイブ委員会一同
【構築経緯】
■草稿: | 2011年7月11日 平成23年文化庁報告書添付資料1 日本のアニメーションデータベース対象作品定義(案) メディア芸術デジタルアーカイブアニメーション分野 データベース対象作品の定義(案) 編集者一同 |
■改訂: | 2015年日本のアニメーション100周年記念事業検討委員会 |
■改訂: | 『アニメNEXT_100』日本のアニメ大全 |
■改訂: | 一般社団法人日本動画協会 データベースアーカイブ委員会 |
■検索条件の入力
「アニメ大全」では、アニメのタイトル名などからアニメを探すことができます。検索後の各種作品詳細情報は下記のようになっています。すべて初出時の情報を基本としているため、現在の著作権者と異なる場合があります。
・タイトル :作品の名称
・媒体 :初出媒体
・原作媒体 :原作になった作品の情報
・放送期間 :初出日及び関連情報
・初出情報 :放送局・配給会社・発売元等の名称
・原作 :原作者及び原案者等の名称
・制作 :製作・制作会社、委員会等の名称
■「アニメ大全」の構成
「アニメ大全」で登録されている作品情報、それぞれの内容は以下の通りです。
◆TVアニメ・TVスペシャル
・1番組ごとに登録されています。
・放送日は24時を越えて放送された場合は、翌日の日付で登録されています。
◆劇場アニメ
・作品タイトルごとに登録されています。
・オムニバス作品の場合、サブタイトルとして登録されている場合があります。
◆OVA(主にビデオソフトなどで発表された作品)
・作品タイトルごとに登録されています。
・2話目(2巻目)以降または1巻に複数話収録されている場合、サブタイトルとして登録されている場合があります。
・劇場で先行公開されたものは、劇場アニメとして登録されていることがあります。
◆イベント
・イベントなどで上映された作品タイトルごとに登録されています。
◆自主制作
・商業向けではなく個人的に制作された作品タイトルが一部登録されています。
◆WEB
・配信サービスなどで公開されている作品タイトルごとに登録されています。
◆その他
■原作メディアの記載について
アニメ作品の原作がアイコンで表記されます。
アニメが原作になっているアニメオリジナルの作品。 | |
マンガが原作になっている作品。 | |
小説が原作になっている作品。 | |
ライトノベルが原作になっている作品。 ※ライトノベルは10代~20代の若者向けの小説とします。 |
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絵本が原作になっている作品。 | |
ビデオゲームが原作になっている作品。 | |
カードゲームが原作になっている作品。 | |
紙芝居が原作になっている作品。 | |
童話が原作になっている作品。 | |
おもちゃが原作になっている作品。 ※ストーリーが特に存在しないおもちゃ |
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キャラクターが原作になっている作品。 ※文具や食器などで展開されているキャラクター ※ストーリーが特に存在しないキャラクター |
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実写のドラマなどが原作になっている作品。 | |
特撮作品が原作になっている作品。 | |
18禁ゲームが原作になっている作品。 ※全年齢対象版が発売され、そちらが原作になっている場合はゲーム原作 |
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その他のメディアが原作になっている作品。 |
■データソース・出典について
- 『にっぽんアニメ創生記』集英社
- 『日本アニメーション映画史』有文社
- 『東京アニメアワード投票用作品データ』2002年11月〜2013年10月
- 『テレビアニメ25年史』徳間書店
- 『劇場アニメ70年史』徳間書店
- 『アニメージュ(Animage)』徳間書店1978年5月~2013年12月
※「アニメGP投票用 アニメ全作品年間パーフェクト・データ」
※「PERFECT DATA ON STAFF」
※新作情報コーナー
※DVD情報コーナー - 『アニメージュPocket Data NOTE 1996』徳間書店
- 『ANIMAGE POCKET DATA NOTE for animation fan』徳間書店
- 『ロマンアルバム Animageアニメポケットデータ2000』徳間書店
- 『「アニメージュ」が見つめたTMSアニメ50年の軌跡』徳間書店
- 『月刊ニュータイプ』角川書店 1985年3月~2013年12月
- 『アニメDVD完全カタログ2000 ニュータイプ・編』角川書店
- 『軌跡 Production I.G 1988-2002』角川書店
- 『アニメディア』学習研究社1981年6月~2013年12月
- 『文藝春秋デラックス アニメーションの本』文藝春秋社
- 『’81-’97全作品・データ総覧アニメLD大全集』メタモル出版
- 『アニメ・作品辞事典』スティングレイ・日外アソシエーツ 共編
- 『アニメビデオ総合カタログ99』日之出出版
- 『日本TVアニメーション大全』世界文化社
- 『アニメチラシ大カタログ : 邦画版』勁文社
- 『テレビアニメ大全集』秋元文庫
- 『アニメーション年鑑1983』小学館
- 『アニメーション年鑑1984』小学館
- 『手塚治虫劇場』手塚プロダクション
- 『東映アニメーション50年史1956-2006』東映アニメーション
- 『サンライズ全作品集成Ⅱ1995~2007』サンライズ
- 『ぴえろ20周年記念出版 ぴえろ全書』スタジオぴえろ
- 日本のアニメーション研究家 渡辺 泰 調査研究資料
- NHK『ニッポンアニメ100』公開『氷川竜介のアニメ100年史』
- 『日本映画情報システム』
- リスト制作委員会 各種提供データ
- 日本動画協会 会員社、制作会社及び版権管理会社からの情報提供
(制作時に作成した作品資料・記念誌・社史・ムック本など) - 各作品公式サイトからの情報収集
- 発売されたビデオなどメディアからの直接入力
- 作品情報調査及び原稿執筆パートナーシップ:株式会社 樹想社
- 『アニメNEXT_100』ならびに株式会社アーイメージ独自調査
■その他
本事業は、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)の共通目的基金の助成を受け実施されています。